和尚のブログ

2015-2-17

「願わざれど草は生え、願わざれど花は散る。」(ことわざ)

 あなたの庭先にもぼちぼち草が生えてきましたでしょう。寺の庭にも雪が解けた後に草が目立ってきました。願ってなくても草は生えてきます。そろそろ、雪の合間から白い顔を覗かせてきます。節分草が咲き出します。そして、福寿草も。かわいい花たちです。でも何時までも咲いてくれません。願わなくても散ってしまいます。この光景が今月の言葉です。まさに無情です。

 つまり、ものの生き死にを表現しています。あなたも自分から望んでこの世に生まれてきたわけではないですよね。でもこうして生きている。もう少し深く意識すると生かされているのですよ。地球に宇宙に仏様に生かされているのです。そして、その役割をおえると、死というものが待っています。願う願わないにかかわらず。

 だから、今が大切なんです。今こうして息をしていることが。春が近づいてきました。いろんな生き物が生まれ、動き出します。その様子を見付けて、生まれる素晴らしさ、そしてその反対に死んでいくものたちの哀れさを感じてください。そして、あなたがこうして生きている素晴らしさを感じてください。「願わざれど草は生え、願わざれど花は散る。」

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