五つの命がこの世に生まれました。
飼い猫の「楽」が一人でいるのが寂しいものでしたから、連れ込んだ虎猫(かいと命名しました)が子供を宿しました。
メシは食べるのに、触らせてもくれないので、子供たちを生むのは私たちの目の届かないところで生むだろうと思っていました。
ところが14日の朝、何気なくこたつを覗いてみると何とかわいい小さなものうごめいているではないですか。
え~こんなところで産んだのですか。
驚きとこれからどうしょうかが、頭を巡りました。
とはいえ、私たちを少しは信頼しての行為かと思い覚悟を決めました。
破水して汚れたこたつ敷きを換え、箱を用意してシートをひいてはそこに親猫共にそこに入ってもらい、こたつの中で育ててもらうように段取りしました。
かわいい鳴き声がこたつから毎日寺中に響いていました。
ところが、桜が散り出した18日の朝、かいの様子が変です、何時もはこたつの中にいるのに今日は、テレビの台の下にいます。
おかしいなと思いこたつをめくると、子猫が血まみれになっています。一匹づつ触ってみると息がありません。五匹とも何かに襲われて死んでいます。
かいは、日頃寄って来ないのに、今日は、私に寄って来ました。怖かったのでしょう。
因みに楽は一目散に外へ出て生きました。
皆、首を噛まれて即死状態です。食べられた跡はありません。明らかに命をたとうと狙ったものでした。
昼間は法要があったので、夕方、葬儀をして、土葬にしました。
たった五日間の命でしたが、確かにこの世にいた証を残すために、お墓を作りました。
他の動物たちのお墓の横に埋葬して読経をしました。
かいは初め落ち着いているようでしたが、二日目から探し回るようになりました。鳴き声が辛くてたまりません。
私に出来る事は祈るだけです。
襲ったのは、野良猫の茶ねこのようです。
楽もよく追いかけられています。
自分の勢力を維持したいためなのでしょうか。
里親を探そうかと色々考えていたのですが。
あの姿を思い出すと涙がでてしまいます。
桜の華が散るとともに散った命のことをお伝えしたく、書きました。