聖寶寺は、素晴らしい庭園と荘厳な本堂、霊験あらたかな十一面千手観世音菩薩があります。何よりもこの地にこのお寺が出来て千二百年という歴史があります。
だからといって、財力があるわけではありません。
先日、財テクの勧めにセールスマンがやってきました。この庭園を見るなり、それはそれは力を入れて、セールスをしてくれました。でも、無い物は無いので、いつものように丁重にお断りをしました。
ところが、そのセールスマンが、言うには、「それは嘘です。ちゃんと、お持ちのはず、だってもみじ祭りでは沢山のお参りがあるでしょう。この庭園をこんなに手入れされているにも、それなりにお金を費やしておられるはず。同じ藤原の方にも聞きましたよ。聖寶寺はお金持ちだと。」
思わず絶句していまいました。
檀家もなく、日頃は、訪れる人もなく。最近は、仏事もリストラで、なかなか収入もないのに。
庭園を維持しているのは、住職のわたしはもちろん、ここに手伝いに来てください多くの、心ある人たちによって守られているのです。
そのセールスマンは、小一時間現状を説明し、納得してかえりました。二度と来ることはないと思います。
聖寶寺がここまで維持されていたのは、西藤原の方々とこの寺を愛してくださった方々のお力です。
わたしは、ここに訪れてお参りされた方々が、幸せになっていただけるよう、祈りを捧げ、坐禅をして、写経をして、心癒される場にすることを勤めと日々精進しております。
見た目で判断しないでください。お願いします。